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その日は吹雪の日でした

父と母の結婚式の話です。

母は自分の結婚式に、自分で作成したウェディングドレスを着たそうですが、基本的に和式の結婚式だったそうです。

一応写真を写す際や、お色直しの時に着たようでしたが、大体話を聞くと和服の話が多かったように思いました。

例えば着付けの際、毛を剃らなくても良いくらい、産毛や無駄毛が無かった事や、母は身長と肩幅が広かったため、ワイシャツを着てネクタイを着ると男性と間違われる程でしたが、事着物においてはそれが功を奏したようで、鶴の模様が綺麗に全部出て着物が美しく見えたそうです。

それは、隣の部屋で母より前に式を執り行っていた全く他人の方の親戚が覗きに来る程、綺麗に模様全体が出ていたのだと母は自慢気に語っていました。

その日、3月半ばにして寒波が押し寄せ、空は生憎の天気だったそうです。

そんな中、外で写真を撮影したそうなのですが、いざ撮影と言うタイミングで笑い上戸な母は笑ってしまって上手く撮れなかったそうで、周囲の「寒い、早くして」、「お前(母の事)は厚着だからいいけど、わしらは寒いんじゃ」と親戚の方が口々に言う度、笑いが込み上げてきて止められなかったのだそうです。

そのせいなのか、結婚式の写真に写る母の笑顔は満面の笑顔と言っても過言ではなく、とても幸せそうに見えます。